独立行政法人 労働者健康安全機構 千葉産業保健総合支援センター

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有機溶剤健康診断で、1,1,1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレンの尿中代謝物については、「トリクロル酢酸または総三塩化物」となっていますが、どちらがよいのでしょうか。

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  • 有機溶剤健康診断で、1,1,1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレンの尿中代謝物については、「トリクロル酢酸または総三塩化物」となっていますが、どちらがよいのでしょうか。
  • 有機溶剤健康診断で、1,1,1-トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレンの尿中代謝物については、「トリクロル酢酸または総三塩化物」となっていますが、どちらがよいのでしょうか。

    いずれの有機溶剤も尿中代謝物測定が必要であり、それは「尿中のトリクロル酢酸又は総三塩化物の量の検査」となっていることから、どちらか一方を行えば足りることとなっており、どちらを実施しても構いません。分布1~3の基準はそれぞれ指定されています。総三塩化物は主にトリクロル酢酸とトリクロルエタノールのことです。1,1,1-トリクロルエタンは別名メチルクロロホルムともいわれ、生体内に入るとまずトリクロルエタノールになり、部分的酸化によりトリクロル酢酸を生じます。トリクロルエチレンは主にトリクロル酢酸とトリクロルエタノールに代謝されます。飲酒などでトリクロル酢酸の生成が部分的に抑制されることがあるので注意を要します。テトラクロルエチレンは肝および腎に対しトリクロルエチレンより強い毒性があります。大半が呼気中に排泄され、ごく少量(約2%)が主に総三塩化物として尿中に排泄されます。
    (平成19年3月14日TM)